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第12回 PEファンドの実務〜事業計画の意義〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


事業計画の意義

前回は法務・人事デューデリジェンスについて説明した。
今回は 「事業計画の意義」 について説明する。


【事業計画の意義】

<PEにおける事業計画の意義>
事業計画とは事業に関する基本構想を示し、構想を実現するための
具体的な計画をわかりやすく記述した計画書である。

事業計画と同様に、経営の目標を示し、目標の達成のための実行
計画を従業員に知らせ、また、株主に説明するために企業内では
経営計画が策定される。

事業計画と経営計画は記述される内容は似ているが、
その目的が異なる。
前者は資本調達であり、後者は経営管理を目的とする。

事業計画は上場の際の株式募集目論見書に相当する。
1.事業構想と事業内容、
2.環境認識、
3.事業戦略、
4.資金調達計画、
5.損益財務計画、
6.経営者の略歴と能力
等を一般投資家や投資ファンドに示し、事業への資本導入を
目指すのである。

従って、事業の魅力、株主の投資価値を高める目標と手段、
計画の具体性と実行可能性を投資ファンドや一般投資家に
わかりやすく説明し、起業家や、経営者がその計画に
コミットメントを明確にするものでなければならない。

事業計画の役割について喩えを引いて説明しよう。
事業計画はルートマッピングに擬えられる。

パリダカールなどのラリーでは大自然の中9500キロを28日間かけて
ダカールにいかに早く到達するかを競う。
この間、砂嵐や、岩盤の突起、がけ崩れによる走行不能、高温と
砂によるマシンへの負担など何が起こるかわからない状況である。

到達までのルートや手法はドライバーとそのチームの判断である。
ルートの状況や、自車の性能、競争車の戦略、補給戦略などの
制約を踏まえどう走りぬくかの基本構想をたてる。

そして、ドライバーはナビゲーターやチームのアドバイスを受けながら
最適なルートを探し、状況に応じて戦術を修正しながら、最後まで
走りぬくのである。

計画の段階では、
1.どういう基本ルートを採用するか、コストやチームスタッフの
編成、補給をどう準備するかなど戦略担当が基本構想を
練り上げる。
2.チームのマネージャーはスタッフとともにルートの詳細を
検討した上で具体的なルートを決め、走行のパフォーマンスを
測定するためのマイルストーンポイントを設けて、走行状態を
モニターし、補給も含めチームの動きをモニターする。

3.レースに入れば、走りはドライバーとナビゲーターの
パフォーマンスだ。
二人の協力により臨機応変に走りきっていかねばならない。

4.各ステージが終了するとマシンの状態を評価しながら適宜
戦略の変更を加えつつ、目的地により早く確実に到着すること
を目指すのである。

投資のプロセスも、同じように、事業の基本構想を設定し、
具体的なマイルストーン(=目標)を設定し、常にモニタリングを
行って、環境にあわせ戦術を修正しながら、最適な株主価値を
実現しようというラリーのようなものである。

日々のパフォーマンスはぎりぎりの局面を走るドライバー(=COO)と
ナビゲーター(=CEO)に任され、彼らが臨機応変に舵を
取らなければならない。

ポイントポイントでチームと状況を検討して、ルートの選択や
走り方の調整を行い、最も環境に適合した戦術を採用
していくのである。

事業計画はまさに投資プロセスのルートマッピングなのである。

<事業計画に求められるもの>
魅力的な事業計画とは、
@構想に革新性とヴィジョンがあること、
A目標が明確でかつ具体的な行動計画が具備していること、
B説明の論理性があること
である。

ベンチャービジネスの起業には先端的な商品サービスのアイデア、
新しい技術、新しい市場や顧客の構築等、革新的な構想や
着想が特に求められる。

バイアウトや企業再生でも経営者に求められることは、同じように
事業をいろいろな工夫により改善し、株主価値を上げていく
革新的な構想力である。

従来手がつかなかったようなコストの合理化やプロセスの改善も、
現状を大きく変え株主価値を上げるという意味で、革新的な
計画である。

成熟期の企業においては、特に、経営資源の見直しによる
コストの合理化、プロセスの改善、事業の再構築を実行し
株主価値を上げていく手法が中心に据えられるのである。

事業計画の範囲は普通3年から5年である。
この間に、どの位キャッシュフローを稼げる会社になるか示す
必要がある。

具体的に数字に落とすとすれば、目標はEBITDAをターゲットに
考えればよい。
目標が達成すれば結果として株主価値も上がり、エグジットも
自然とついてくる。

説明の論理性として、しばしば用いられるツールは、5W1Hである。
事業計画は、何を、何処で、何時、誰が、何故やるか、そして
如何に実行するかが説明される必要がある。

ところで、事業は市場で顧客を相手にそのニーズを満たす商品や
サービスを作り上げ提供することにより、売上を上げ、収益を
稼ぎ、価値を創造していくので、この論理は事業が対象とする、
市場、顧客、顧客のニーズの観点からも記述されなければ
ならない。

今回は 「事業計画の意義」 について説明した。
次回は事業計画の骨格について説明する。




●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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