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第28回 PEファンドの実務〜経営資源と経営環境の判断(前編)〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


 ▼経営資源と経営環境の判断(前半)
 
 前回は投資判断の考え方について説明した。
 今回は 「経営資源と経営環境の判断」 について説明していこう。


 【経営資源と経営環境の判断】

 投資判断を本質的に左右するのは企業の経営資源や経営環境の判断であ
 る。具体的には、
 (1)企業の持つ潜在的な技術開発力や差別化されたサービスを提供できる
 人的・物的資源、並びに、
 (2)企業がおかれている市場の規模や競争条件によって投資対象としての
 魅力が高まる。
 企業は顧客のニーズにあったサービスを競争力あるコストにより提供して初
 めて収益を生み出すことができる。市場で生き残っていくためには、こうした
 サービスを競合企業よりも魅力ある品質と価格によって、継続的に提供して
 いけることが必要だ。

 企業の技術や生産設備と、技術を継続的に開発、適切に稼動させる人材が
 無ければ、競争力のあるサービスを提供することは出来ない。
 それは一朝一夕に築き上げられるものではないなく、組織の中に積み上げ
 られ、伝えられてきた生産活動や技術開発のノウハウの蓄積である。

 一方、製品やサービスが時代遅れのものになったり、世の中のニーズが縮小
 しているような製品・サービス市場や、国際市場でのコストの比較優位性が
 失われ、低労働コストの途上国からの継続的な価格低下圧力にさらされてい
 るような事業分野では、キャッシュフローを継続的に増加していくのは至難の
 業である。
 合理化や色々な工夫により、生き残りゲームに勝ち抜くことは出来るかもしれ
 ない。そうして、安定的な市場ポジションと確保できる企業も中にはあるだろ
 う。しかし、それは限られた事例である。

 一般的に、経営資源や経営環境に欠陥のある事業は、経営資源を入れ替え、
 事業分野の転換を行うといった施策を打たない限り、如何に有能な経営者を
 起用しても、人の力だけでは企業価値を上げることはできない。
 事業転換に要する投資のリスクリターンを考えると、とても経済性に合う話で
 はないのである。

 経営資源や経営環境が良好で、しかも、それが既にキャッシュフローに顕在化
 している事業は、誰もが投資したい事業なので投資できる価格は高くなるが、
 一方、企業価値の上昇の余地も限られる。
 結局、魅力的な投資対象とは、潜在的に価値を生み出せる経営資源を有しな
 がらも、その潜在力が顕在化していない事業である。この種の投資対象を、
 どのように発掘し、評価するかが問われるのである。

 今回は 「経営資源と経営環境の判断」 について説明した。
 次回も引き続き経営資源と経営環境の判断について説明する。



●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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