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第27回 PEファンドの実務〜投資判断の考え方〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰

 ▼投資判断・モニタリング・エグジット 投資判断の考え方

 これまで数回にわたり、取引の仕組みついて説明してたきたが、
 今号より 「投資判断・モニタリング・エグジット」 について説明していこう。

 【投資判断の考え方】
 
 投資ファンドは事業家ではない。企業価値を創造できる事業へ投資し、投資
 から上がるキャピタルゲインを狙うビジネスである。
 潜在的に企業価値を生み出せる可能性の高い事業を選別し、価値を生み
 出せる仕組みを作り上げ、そこに投資するのである。

 投資対象が潜在的に価値を生み出せるかどうかは、人的・物的な経営資源
 と事業活動を行う領域の経営環境に依存する。市場が継続的に縮小し、
 供給過剰で断続的に価格引下げの圧力を受けている事業分野や、技術や
 製品サービスがライフサイクルを終えようとしてる事業分野では、如何に内部
 の人々が創意工夫を行い頑張ろうとも、企業価値を飛躍的に向上できるチャ
 ンスは少ない。
 結局は、大規模な投資を実施し、事業領域の転換を行うことになるが、予め
 事業領域の転換を前提にした投資はリスクの高い賭けである。まずは与え
 られた経営資源・経営環境で、企業価値を生み出せる事業を見つけ出すこと
 が投資対象の選別の基本である。
 このような素材の上に、企業価値を創造するための構想を描き、企業価値を
 実現していくのは経営者の知力であり、リーダーシップである。
 有能な経営者がいて、その事業にコミットメントしてこそ、企業価値を継続的
 に生み出していけるのである。投資の判断はこうした有能な経営者に出会え
 るか否かである。

 投資ファンドの投資サイクルは目隠ししてランダムに市場から銘柄を選ぶ手
 法ではない。また市場の変動に掛けた小額の分散投資でもない。
 市場とは離れて会社内部から価値を作り出す企業の力に投資するのであ
 る。その意味で、投資の判断を左右するのは、まさに有能な経営者に巡り
 会い、魅力ある事業計画があり、これに経営者がコミットしているか否かな
 のである。

 こうした前提の上で、さらにレバレッジ効果、節税効果や外部からのサポート
 体制などにより投資収益率を底上げできる仕組みが出来ているか、リスクを
 制御できるモニタリングのシステムが出来ているか、こうした仕組み全体を
 確固たるものとする適切な契約関係が構築できているか等が、投資の判断
 を最終的にサポートする要素になるのである。
 DDや契約交渉の過程を通じて、これらの3つの要素が、うまく補完しあって
 確実にリターンを生み出す仕組みを作り上げられるかを判断し、また、そうし
 た仕組みづくりを作り上げるべく交渉していくのである。

 今回は 「投資判断の考え方」 について説明した。
 次回は経営資源と経営環境の判断について述べていこう。


●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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