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第5回 PEファンドの実務〜投資先のデューデリジェンス〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


投資先のデューデリジェンス

前回はどこから投資先を探すかについて説明した。
今回は 「投資先のデューデリジェンス」 について説明する。


【投資先のデューデリジェンス】

デューデリジェンス(以下DD)とは、due diligent investigationを
略した金融用語であり、「手順を踏んだしっかりとした調査」の
意味である。

なぜ、DDが必要なのだろうか。

もし自らのリスクで事業に投資している個人の富裕資産家であれば、
投資する事業のリスク負担に自らが納得するだけで十分だと考えて、
組織的な手順を踏んだ調査よりも直感で投資判断をすることが最善
であると思うこともあるだろう。その結果、失敗して資産価値が
毀損され自己破産に陥るかもしれないが、影響はその個人に限られる。

もし、その資産家が資本家になり、従業員を雇い入れ、他人の資本
を使い事業を行うようになると、重要な投資判断の失敗は従業員の
生活を直撃するだけでなく、資本の提供者の資産を大きく減価させる
事になる。このように、会社が個人から組織へと制度化してくるに
つれて、株主、債権者等の利害関係者が増加し、利害関係者に対する
経営者の責任が問われるのである。

1933年、1934年に制定されたアメリカの証券取引法では、会社が株式を
発行する際に、会社の事業内容や抱えるリスク、財務状況や損益状況
等を一定の手順を踏んで調査したうえで開示書類を作成すれば、後日、
株主からその株式発行に関し、開示情報の正確性の点で責任を問われ
ないことが明確にされた。

証券取引法による手続きを参照して、株主に対し重要な投資案件の説明
責任を有する経営者やマネージャーが、その受託責任を明らかにする
ためにDDの手順を踏むことが一般の慣行になったのである。

即ちDDとは、重要な投資を実行するに際し、十分な調査を実施した
うえで合理的に説明できる判断材料を提供することである。これに
より経営者や管理者、担当者など各段階における説明責任が果たされる。

具体的には、
1)対象事業の置かれる環境の調査(事業が属する産業やセクターの
一般的な状況から、競合状況までが含まれる)
2)対象事業の有する経営資源の調査(顧客や技術、人的資源、資産や
設備などが含まれる)
3)対象事業の財務状況と損益状況の調査
4)対象事業の将来の事業計画の調査と評価を行い、対象事業の抱える
リスクや潜在的な価値創造能力を明らかにして、投資判断の材料を
提供することである。

今回は 「投資先のデューデリジェンス」 について説明した。
次回はデューデリジェンスの手順について説明する。

 

●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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