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  第36回講座 PEファンドの実務 〜経営組織の整備、経営トップ組織〜

 CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


 ▼経営組織の整備
 
 前回は企業再生投資の投資判断に必要な観点について説明した。
 今回は 「経営組織の整備」 について紹介する。


 【経営組織の整備】

 PEが投資対象とする企業は潜在的な経営資源を生かしきれていない企業
 である。その原因は経営者や経営組織にしみこんだ体質や、株主と経営者
 の対立等に起因していることが多い。大組織でも中規模組織でも官僚化と
 現状維持、経営者の独断に支配された体質が組織の活性化や組織の改革
 を阻んでおり、これが経営の停滞につながっている。

 社長は独裁者として振る舞い、社長の周りには社長のイエスマンが配置され、
 彼らの中心に官僚組織が形成される。社長の威光を利用して末端まで組織
 を締め付けるシステムが出来ている。一見、規律正しく一丸となって動く組織
 に見えるが、皆が同じ眼鏡を通し、組織内部の理論で世の中のニーズを見て
 いるので、顧客の真のニーズをくみ上げられない。

 また、大企業の子会社の場合では、派遣された経営者が改革者であっても、
 親会社の官僚組織に阻まれて、経営組織の中に親会社と同じような問題が
 起きていることがある。


 ▼経営トップ組織
 一般に投資ファンドが手がける投資対象はこういう会社である。したがって、
 投資完了後にまず手がけなければならないのは、経営者と緊密に意思疎通
 をはかりながら、経営組織の改革に手をつけることである。

 第一のステップは経営トップの組織の改革である。MBOのケースでも経営
 トップ組織が現状のままで良いことはない。経営者は、過去に旧株主の下
 で張り巡らされた慣行や官僚体質に足を取られ、思い切った改革が出来ず
 に経営資源を生かしきれなかった問題を認識しているだろう。だからこそ、
 MBOを実行したはずである。また、事業が停滞し再建のために投資ファンド
 をスポンサーとするケースでは、なおさら経営組織の再構築が第一の課題
 である。特に外部に開かれた組織への転換を目指し、適材適所の人材配置
 が組織改革の鍵になる。その為にはMBOの場合であっても、外部に人材を
 広く求め、内部の人材とバランスよく組み合わせることが必要である。

 アメリカでは株主の力が強く、職業経営者に会社経営が委任されている。
 株主は経営の失敗が明らかになれば直ちにトップを更迭する、また新たに
 選任される最高経営責任者も自ら率いるチームに経営陣を一新する。

 英国はやや事情が違う。徐々に職業経営は育っているものの、アメリカに比較
 すると経営内部のサークルに共同体的な絆が強いので、改革は経営陣の一新
 よりも、内部経営資源と外部経営資源を組み合わせながら、バランスの取れた
 チームを構築することを目指す。例えば、英国型バイアウトの業界用語として
 BIMBO、CHIMBO等の用語がある。BIMBOとは外部の経営者が内部の経営者
 と手を組んで、バイアウトを実行することであり、CHIMBOとは外部の経営者が
 取締役会の会長として経営内部に入り込み、内部のMBO経営者と手を組んで
 バイアウトを実行することである。 経営内外の強調という配慮がなされるので
 ある。

 日本では会社内部が共同体として生活の場になっているので、よそ者を寄せ
 付けないカルチャーがあり、外部の経営資源の導入に対しては大きな抵抗が
 ある。だが、内部の人的資源だけに頼ると内向きの経営体質になり、結果的
 に停滞が起きるので、改革のためには、外部の血を導入し組織の体質を改善
 することを目指さなければならない。

 第二は、経営の戦略を討議し策定する取締役会と執行機関を簡素化し、十分
 な討議と迅速な意思決定が図れる体制の構築を目指して、意思決定機構の
 改革を実行することである。

 具体的には、取締役会を少数に絞って経営と執行を分離し、取締役会を経営
 戦略の集中的討議の場として、株主と経営者が重要な戦略を決定する機関
 とする。会社の規模によるが株主の代表2〜3名、経営者の代表2〜3名から
 なる少数のメンバーで構成する。 取締役会は経営の戦略を荷うほか、株主と
 のコーディネーションを同時に行える体制となるので、迅速な意思決定が可能
 となる。

 取締役会ではすべての重要経営課題が討議され、議事録として記録すること
 が求められる。特に、事業計画に沿った経営の執行状況をレビューし、適切な
 経営戦略の修正や計画を実現するための重要施策の決定を行うのが取締役
 会の役割である。もっと詳しくいえば、取締役会は経営最高責任者 (CEO)
 ならびにCFOから経営環境、月次営業状況、月次損益キャッシュフロー状況、
 年次計画との差異とその分析、経営計画を達成するための今後のアクション
 プランの説明を受けた上で適切な方針の設定を行うことがその役割である。
 投資ファンドは、取締役会の機能を円滑に運営するため、CEOを補完し、CEO
 にアドバイスを行える経験を持つ社外取締役の起用や、経営全体を株主価値
 の観点から把握して経営戦略と財務戦略を連結する視野を持つCFOの起用を
 望むのである。

 今回は 「経営組織の整備、経営トップ組織」 について説明した。



 ●ご注意●
 この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
 無断転載はご遠慮ください。


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