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第29回 PEファンドの実務〜経営資源と経営環境の判断(後半)〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


 ▼経営資源と経営環境の判断(後半)
 
 前回は経営資源と経営環境の判断(前編)について説明した。
 今回も引き続き 「経営資源と経営環境の判断」 について説明する。


 【経営資源と経営環境の判断】

 経営資源や経営環境が良好で、しかも、それが既にキャッシュフローに顕
 在化している事業は、誰もが投資したい事業なので投資できる価格は高く
 なるが、一方、企業価値の上昇の余地も限られる。
 結局、魅力的な投資対象とは、潜在的に価値を生み出せる経営資源を有
 しながらも、その潜在力が顕在化していない事業である。この種の投資対
 象を、どのように発掘し、評価するかが問われるのである。
 
 日本の市場では、経営環境が良好で、経営資源も優れているという理想
 的な投資機会には、そう頻繁に出会うものではない。それには、いくつかの
 理由がある。日本の産業社会には55年体制で作り上げた官民協力して
 国内産業を育成し、企業間の競争は促進しながらも業界としてまとまって
 市場の秩序を維持し、外資やよそ者に対抗しようというシステムがあった。
 このシステムは、大企業を中心に国際競争力と維持すると共に、国内市
 場ではすべてを国内企業が行うワンセット主義であった。
 システムを支えていたものは、銀行による安定的な資金供給と株式持合
 制度により、株主の声を遮断して産業や企業の成長を重視する政策である。
 結果として企業は成長のために資金を注ぎ込み、拡大した事業はすべて
 企業組織の中に抱え込み、グループや系列を形成してさらに拡大を図った。
 競争で疲弊していく事業も雇用を考慮して、簡単には整理を行わない。
 こうして大企業の下には、いろいろな関連事業ができた。それは大企業グ
 ループ内の雇用対策になるが、一方、株主から見ると総じて魅力の無い
 成長力にかける事業だったのである。
 ところが、こういう活力に欠けた子会社郡も、ベンチャー企業など新たな企
 業の参入に対しては、価格競争や非価競争などあらゆる手段を駆使して
 猛烈な競争を挑み、異分子の参入を阻止してきたのである。
 観点に立った選択と集中の戦略も実施されなかったことから、魅力ある
 独立した事業が投資市場に供給されなかったのである。

 株主の発言力が強く、株主価値の観点から継続的に選択と集中戦略が
 実行されている欧米の市場では、当該企業にとってコアから外れて売却
 の対象になる事業であっても、良好な経営環境と計系資源に恵ぐまれて
 いることがある。
 それでもこうしたノンコア事業が市場に出てくるのは、株式市場での資本の
 供給や経済情勢等の外的な要因に依存するので、投資ファンドが側の需要
 ほどには基準を満たす投資案件があるわけではない。
 いずれにしても、質の高い案件の供給には限りがあるので投資ファンドは
 常にぎりぎりの投資判断を求められるのである。

 確かに、理想的な投資対象が少ないときに、個別の投資対象の経営資源
 や経営環境を判断する基準は曖昧で難しい。投資対象候補企業の良い点
 を列挙しろといわれれば、例えば、良好な販売網を構築している。良好な顧
 客を持っている等、抽象的な言葉で特徴を羅列することはできる。
 しかし現実には、”良好”とはどういうことなのか、特定の競合相手に比べて
 まだましだというのか、あるいは業界の平均に比べては優れているということ
 なのか、曖昧である。常に相対的な関係で判断する必要があるが、どこに
 基準をおくか難しいのが現実である。

 前回と今回で 「経営資源と経営環境の判断」 について説明した。
 次回は妥当な判断を導く仕組みについて説明する。
 


●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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