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第11回 PEファンドの実務〜法務・人事デューデリジェンス〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


法務・人事デューデリジェンス

前回は会計デューデリジェンスについて説明した。
今回は 「法務・人事デューデリジェンス」 について説明する。


【法務・人事デューデリジェンス】

<法務DD>
法務DDの目的は、
1.会社は法律、法令、法規を遵守して適正に運営され、
また、営業に必要な許認可が完備され、過去の法律行為に
否認されるリスクや、追加的な債務を負担するリスクがないこと
2.会社の取引行為や契約は有効に成立しており、一方的な
解除や否認、追加的な負担を蒙ること等がないこと
3.貸借対照表に記載されている財産に関する所有権や株主の
権利が有効であり、その権利を詐害する他の権利が設定されて
いないこと
4.第三者からの訴訟や、債務負担をしなければならないリスクが
存在しないこと
を確認することである。

これらの問題が、結果的に株主の会社に対する権利を損ない、
また、投資対象会社の株主価値を毀損することがないことを
担保するためである。

事業活動に伴う取引から報告までは、
1.取引が法律行為として有効に成立し、
2.成立した取引が会計帳簿に記録され、
3.金銭の接受が実行され、
その結果、
4.企業の財政状態や営業成績として株主に報告される
流れとなる。

法律DDは、そもそもの取引が有効に成立しているかを確認する
ことであり、会計DDはその取引が適正に記録報告されているか
を精査することである。

この意味では企業が抱える取引の実態とリスクを確認するために
法律、会計の両面から調査し、総体としてどのような“状態”の
会社に投資するかを評価することがDDの作業といえる。

一般には法務DDの実施時期はレターオブインテント締結から
買収契約の締結にかけての期間である。
買収契約と投資契約は、どのような状態の会社を、どのような
条件で、買収・投資をするかを取り決める契約である。

取引の交渉、締結の過程は、条件設定のために取引の過去や
実態を法律面から明らかにし、取引の条件を定義して、買収契約
あるいは投資契約を作成するのである。
従って、法律DDは契約締結の一連の流れの中で弁護士により
実施される。

一般のバイアウト型投資とは異なり、法的整理や業績不振会社
を対象とする企業再生投資では、債権者と会社、債権者間、
既存株主と債権者や新規株主の権利関係が複雑である。
むしろ、権利関係が錯綜し誰も手を出さない事業に価値ある
資産が埋もれていることがある。

投資対象になりうる資産や事業を見極め、その取引に関わる
リスクを限定することによって、初めて価値を生み出す事業を
取り込むことができるのである。

もちろん、複雑な権利関係を解きほぐすために、法的整理手続きを
経なければならないことも多い。
企業再生投資においては、特に、法務DDを重視しなければ
ならない所以である。

法務DDで絞り込むべきポイントは事業の性格に応じた固有の
法務リスクである。
例えば、ハイテクベンチャーであれば、技術特許である。
許認可関係が重要になる事業の場合には許認可の取得状況、
取引実行による許認可への影響に焦点を当てる。
また、労務関係に問題が出そうな会社には、労使協約や雇用契約、
雇用慣行等労務分野に的を絞ったDDが必要になる。

これらに加えて、一般的には、投資対象資産や、事業の権利関係
や訴訟等のリスクを精査し、株式の移転をどのような条件で
契約するかを判断する必要がある。

<人事DD>
人事DDあるいはマネージメントDDともいうが、この目的は、
1.トップマネージメントチームの能力を評価し、不足する人材資源
を査定すること
2.中間経営職の能力を評価し、不足する人材資源を査定すること
(特にキーとなる人材の確認)
3.給与賞与体系を把握し、適切なインセンティブの設計の資料
とすることである。

人事DDは取引の進行の漏洩が社内に影響を及ぼすことも考慮し、
その範囲と実施するタイミングを決めなければならない。

欧米の投資実務では、人事DD、マネージメントDDは特に重視される。
企業は人材次第であり“人材に投資する”との考えが強いからである。

大型の投資案件では人事コンサルタントを起用してインタビューを
実施し、人材の評価やインセンティブの設計を行うこともある。

また、人材の評価にリファレンスと呼ばれる市場や取引関係者
からの意見聴取なども行うが、日本の投資では一般的に知り合いに
内々の評判を聞くなどインフォーマルベースでの評価によっている。

今回は 「法務・人事デューデリジェンス」 について説明した。
次回は事業計画の意義について説明する。

 

●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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