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第10回 PEファンドの実務〜会計デューデリジェンス(後編)〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


会計デューデリジェンス

前回は会計デューデリジェンス(前編)について説明した。
今回も引き続き 「会計デューデリジェンス」 について説明する。


【会計デューデリジェンス】

一般に会計DDで検討すべき点は諸々あるが、その中で、
会計数値と企業活動の実態を比較判断する際に問題となる
点につき触れておきたい。

1.EBITDAの実力水準の見極め
EBITDAは営業利益と減価償却費等の現金の支出を伴わない
費用項目から計算する。

第一には、作成されたこれらの会計数値がどのように作成されて
いるかを理解し、次にその会計処理方法によって数値がどのように
異動があるかどうかを把握することが肝心である。
費用の計上方法や償却方法等で他の同業者よりも数字が甘く出て
いることもありうるし、また、稚拙な会計処理により取引記録が不備
なこともあるからである。

第二には、会計数値とその背後にある事業活動を比較考量しながら
判断することである。
設備投資が過去妥当な水準で実施され、今後の計画の中で、
企業価値を維持し、さらなる価値を創造していくために、必要な
設備投資水準の推定することや、また、減価水準の削減の余地が
あるか等、キャッシュフローの実力を診断することに努めなければ
ならない。

第三に、対象事業が独立の事業体でない場合には、独立の事業体
として運営するための追加費用の推定である。

いずれにせよ、投資ファンドにとってはEBITDAのレベルの確認が最も
関心を払う点である。

2.関係会社との取引
グループ内の事業部門や、オーナー系企業に投資する場合には、
関係会社取引、親密先取引が、会計的に正しく処理されているか、
また、会計的に正しく処理されているとしても、関係会社への
依存が取引リスクとしてどの程度企業価値に影響を与えるかを
判断する必要がある。

時として、親密会社や関係会社との取引は粉飾処理の受け皿に
使われることもある。
粉飾とはいえなくても、健全な会計慣行に反する処理が行われる
ことがあるからである。

3.偶発債務
偶発債務とは取引行為に付随し、現時点では費用の認識や
現金の支出を伴わないが将来費用あるいは現金の支出が
発生する確率がある隠れた債務のことである。

費用の発生が合理的に予測可能であり、それが現在の収益を
稼得するために必要な費用であれば、引当金として
計上されているはずである。
しかし、未公開会社では、会計処理が一般に認められた会計慣行に
基づき処理されていないことがしばしば見受けられる。

注意すべき項目は、貸倒引当金の計上、保証債務の有無、リース
資産の計上、無形資産の計上と償却、年金債務の計上等である。

4.関係会社株式、関係会社貸付、その他投資
簿外取引が横行する会社は論外であるが、問題を抱えている企業の
ゆがみは多くの場合、関係会社株式、関係会社貸付、その他投資など
に集約されてくる。
徐々に貸借対照表のこれらの勘定科目が異常に膨れ上がってくるので
ある。

5.運転資金
企業価値を考えるとき、往々にして、運転資金の所要水準は忘れられ
がちとなる。
企業活動の規模が拡大するにつれて必要となる運転資金の経常的な
増加は、キャッシュのアウトフローであり、それだけ企業価値から差し
引いて考えなくてはならない。

運転資金を構成する資産側としての、売掛金、受取手形、棚卸資産、
負債側としての、買掛金、支払手形、等の会計処理が適正に行われ
ているか、また、その増減に異常があれば、
原因の究明を行う必要がある。
特に、運転資金は営業の態様に関連するので、実際にオペレーションに
関係していないと実態を把握することが難しいことがある。

財務責任者や営業の責任者から、営業と資金の実態の関連につき
説明を受けることが理解を助けるので、必ず運転資金に絞った面談の
機会を持つことが大切である。

粉飾企業の多くは売掛取引の貸倒引当処理が適正でなく、また、
棚卸資産が異常な動きを示し、買掛金が特定先から異常に膨れ上がる
などに兆候を見ることができる。
特に、企業再生投資では企業側が業績悪化の過程で不適切な
会計処理により損益を水増ししていることがあるので、
これらの点を十分留意する必要がある。

今回は 「会計デューデリジェンス」 について説明した。
次回は法務・人事デューデリジェンスについて説明する。

 

●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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