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第4回 PEファンドの実務〜どこから投資先を探すか〜

CVC Asia Pacific シニアエグゼクティブ/東洋学園大学客員教授 −添田 眞峰


どこから投資先を探すか

前回はアメリカのPEファンドの日本での活動について説明した。
今回は 「どこから投資先を探すか」 について説明する。


【どこから投資先を探すか】

投資案件を発掘するソースは、主として
@起業家、経営者、企業への直接アプローチや、
起業家、経営者、企業からの直接アプローチ、
A会計士、弁護士、コンサルタントからの紹介、
B銀行、インベストメントバンク等、金融機関からの紹介である。
欧米ではPEの市場が活発に機能している。この市場では、
投資ファンドに的を絞り、案件の仲介活動をする金融機関や
コンサルタント、投資ファンドを専門に会計税務アドバイスを行う
会計士等が多数活躍しており、彼らが案件の創造並びに案件の
仲介に大きな役割をたしている。

また起業家や経営者は投資ファンドの利用を資本調達の代替方法と
して考え、自らの事業計画を積極的に投資ファンドへの売込みを
図る慣行が出来上がっているので、案件の発掘は比較的容易である。

一方、案件には常に複数の投資ファンドが競合関係に入ることに
なるので、ファンド間では厳しい売込み合戦が展開される。
さらに投資ファンド内部においても個別投資案件への資本配分に
つき他の案件との競合が展開されている。

このように欧米のPE市場はリスク資本を供給する重要な役割を荷う
一方で、きわめて競争的な市場なのである。

日本では未だ投資ファンドが広く認知されておらず、起業家、
経営者や企業からの直接アプローチが頻繁に来るような成熟した
市場状況ではない。
従って投資ファンドは投資案件の発掘のため@ABを全方位で
展開すべくネットワークを張る必要がある。

もっとも現実には、日本では今なおメインバンクを中核とした銀行の
影響力が強く、企業再生やバイアウトの対象案件の多くは銀行を
基点にして市場に出てくるので、投資ファンドの案件発掘活動は
銀行を中心に回っているのが現状である。

◆投資実績、評判、ネットワーク
投資ファンドが抱えられる投資担当者の数には限りがある。
欧米でも中には投資担当が100名を超える大型の投資ファンドや
投資会社もあるが、ほとんどの投資ファンドは10人程度のパートナー
と10数人程度のアソシエイトと呼ばれる若手担当者で構成される
少数精鋭のプロフェッショナル集団である。
銀行系や証券系のベンチャーキャピタルを除くと、日本の投資
ファンドはさらに少数のスタッフで運営されている。

このように人的資源は限られてくるので、自ら市場で
マーケティングを行う人的な余裕はなく、投資ファンドの
過去の投資実績、評判、投資活動を通じて起業家の間や
専門家集団に形成された人的ネットワークが案件を
取り込む力になっている。

PE投資とは投資ファンドと起業家/経営者が競争的な環境の
中で富の創造を共通の目的として切磋琢磨し、時には利害
関係を調整しながら、企業価値を創造して投資収益を実現
していくプロセスである。

人的なつながりや信頼関係こそが活動を結びつける絆になっている
のである。

実際、評判やネットワークは成功者のクラブという側面もあり、
投資ファンドを利用して成功し、富を築き上げた起業家や経営者と
それをサポートしてきた弁護士や会計士がさらに知己を紹介していく
というサークルなのである。

今回は 「どこから投資先を探すか」 について説明した。
次回は投資先のデューデリジェンスについて説明する。

 

●ご注意●
この講座は、著書「プライベートエクィティ投資」の要約を掲載 していますので、
無断転載はご遠慮ください。


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